映画「ソニータ」監督自身の決断も含めたドキュメンタリー 感想(ネタバレあり)
あらすじ
タリバンから逃れるため、アフガニスタンを離れ、不法移民としてイランで暮らすソニータ。
移民の子供たちを支援する施設に通い、過去のトラウマと闘いながらラッパーになる事を夢見るソニータ。そんな彼女のもとへ、ある日アフガニスタンから母が訪ねてくる。ソニータの家族は、アフガニスタンの慣習通り、お金と引き換えにソニータを見ず知らずの人と結婚させようとしていた。。
監督をも巻き込んで、ソニータの人生が変わっていく。。
感想
撮影の途中、自分が結婚させられると知ったソニータは、監督に助けを求めます。
その時監督はソニータに対して”これは事実を映す作品、だから私があなたの人生を変えてはいけない”と答えます。しかし映画の後半、なんとかソニータを助ける為、監督自身も様々な決断をするなかでソニータの人生も大きく変わっていきます。監督自身、インタビューで↓のように言っています。
「本作で初めて誰かの人生を変える経験をしたのですが、私自身も変わりました。こんなに長期に誰かの人生をサポートすることはなかったので、子を授かった気持ちでした。また、夢の力の凄さを知ることになりました。ソニータの夢は最初、非現実的で不可能と思えました。しかし、彼女には夢を見る権利があるのです。この事は、私の人生に対する態度を変えました」(ロクサレ・ガエム・マガミ監督)
http://www.webdice.jp/dice/detail/5495/
この映画は、そうした監督自身の葛藤や選択も含め、事実を映したドキュメンタリーでした。
映画の最初、彼女がラッパーになりたいという夢は非現実的でしたが、自身の才能を信じて突き進むソニータと、彼女を助けようとする人々とが繋がって、彼女の人生は変わっていきます。
一人の少女が人生を切り開いていく姿を目撃する、そんな作品でした。
だけど彼女はたまたま運が良かっただけ。彼女の友達が金目当てに結婚させられるって話してる時のあの悲しそうな顔が印象的で忘れられません。。現在ソニータはこうした声にならない声を代弁する活動家として活躍しているようです。